禅塾

塾頭さんの過去のお話



 道の為に来たれ!


 山陰線花園駅から歩いて5分ほど、妙心寺の宿泊施設花園会館の奥に立つ鉄筋コンクリートの建物から、朝晩お経の声が聞こえてくる。そうかと思えば、シーンと静まり返って誰もいないんじゃないかと思う時もある。 出入りするものは今時の若者。服装もいたって普通、特に変わった様子はない。う~ん、でもなんだか怪しい。敷地の入り口に立ってみると゛道の為に来たれ”とある。更に玄関まで進むと「花園禅塾」の看板。ここは一体・・・?外部の人たちからするとヒミツめいた場所のようである。

 ここ花園禅塾は、坐禅を修行の中心にする臨済宗の本山の一つ、妙心寺が運営する学生寮で、大学生活4年の内2年間、集ったものたちが共に寝起きをして、禅宗の僧侶の基礎を学ぶ場所。昭和46年第1期生18名の学生からスタートした。現在までにこの塾の出身者は700名に近くにのぼり、そのほとんどが僧侶となり布教の一端を担っています。

 さて今年の4月新たに大学生17名を第45期生として迎えました。期待に胸を膨らませてか、もしくはあらゆる噂に不安を抱きながらか、はたまた規則に縛られた生活に絶望を感じてか、緊張した面持ちの彼らには 「それぞれにここへ来た経緯があると思う、自ら望んでのことか、親の勧めで嫌々やって来たかどうか分からないが、最後は自分で決めてのこと」と肚(覚悟)を決めたのは自分であること、そして「時間には2つある。みんなに共通して流れる時間と生きている事実を通して作り上げる時間。積極的に今を使っていくこと。生活のどんな些細なことであっても最善を尽くすこと」と日常を掘り下げることの大切さを伝えました。

 朝は午前6時開静(起床)洗面したらすぐに衣に着替え袈裟をつけて朝のお勤め。着物の着方が悪い、声が小さいと怒られ。坐禅では寝るな、動くなと怒られ。食事でも細かなルールがあり、残すな、時間を無駄にするなと急かされ、音をさせるなと怒られ、食べた気がしないかもしれません。 掃除に諸々の行事を済ませ日中は学校。夜は門限7時。同時に薬石(晩ご飯)、坐禅、そしてわずかばかりの自由時間があって11時消灯。窮屈な生活ですが、嬉しいことに彼らは逃げ出しません。自分で決めた道であること、そして共に寝起きする中で、同じ方向を向く仲間がより深く同じ志を持った゛道友”になるからでしょう。 塾頭も指導員も時々に応じて上げたり下げたり、なだめたりすかしたりしながら共に修行させて頂いています。そして僧侶の使命は法事や葬儀などの法務だけではなく、人に寄り添うことであるとしてボランティア活動、京都の社寺仏閣を巡る「もう一つの駅伝」などのイベントも行っています。

 さてさて、京都の片隅で日々繰り広げられる彼らの奮闘ぶりを発信しています。気になる方はどうぞ花園禅塾のHPにお入りください。

                                   花園禅塾塾頭    羽賀 浩規


 禅塾通信 4

禅塾生は日中には大学の授業があるため、禅塾内で全員揃って取る食事は一日に粥座と薬石の二回です。
午前七時粥座。典座の支度が整い雲板が鳴ると、直日の先導で禅堂より整列して食堂(仏間)に移動し、飯台看が給仕係をつとめる本飯でいただきます。そして午後七時薬石。門限開板後、柝の合図で食堂に集まって 随飯にていただきます。
それぞれが自分の持鉢(食器)を使って、出されたものを粛々と黙って素早く静かに、残さずいただくのが基本です。
しかし素早く静かにといっても、うまく扱えず、ガチャガチャと音をさせてしまいます。 そのたびに「静かに」背中を丸めての姿勢に「顔を上げて、胸を張って器を口に持っていきなさい」と直日が叱咤激励します。
食事をいただくということに対して真剣に向き合います。 他の命を奪うことで保たれる身体である以上、目の前にある食物に対して好き嫌いは許されないこと、持鉢の上げ下げ、箸の置く音などに気をつけ、物を大切に扱うことを体で覚えていきます。
この食事をいただくだけの自分であるかという反省、様々な人達の手を煩わせて目の前に運ばれてくることへの感謝、頂いた食事を正しいエネルギーに変えてお返しすることを誓っていただきます。
最後になりましたが、食べ盛りの彼らにお米やお野菜などが余っておるようでしたら送ってくださると助かります。



 禅塾通信 3

毎月一日・十五日の祝聖と、十二日の開山忌は、管長さま導師のもと四本庵、内局、山内一同が仏殿、開山堂に出頭する。 有難いことに禅塾生もそのお勤めに参列する機会をいただいている。
五月一日祝聖出頭。午前五時半開静、素早く洗面を済ませて着替える。鳴らし物は粥座の準備の為に留護する典座が担当。五声支度に続いて法鼓の音が鳴り響く中、いつもの霜降りの雑衣に藍の木綿衣ではなく、白衣に衣、袈裟、足 袋を着用した真威儀で玄関前に両班に分かれて整列する。打ち上がり、お互いに一礼して一列になって参道の端を通り仏殿へと進む。
一歩踏み入れると普段の仏間と違った雰囲気と凛とした空気に緊張する禅塾生たち。木魚に合わせて声を張り上げて勤める如常の朝課と違って、多くの和尚様方と声を合わせて読むことは滅多にないことである。
「お経は耳で読む」と言われる通り、決して独り善がりのお経にならないように、よく耳を使ってはやさ、声の高さと大きさに注意して合わせることの大切さを感じる実践の場である。



 禅塾通信 2

いよいよ新年度。新たに入塾する45期生大学生17名。初めて親元を離れての生活に不安がよぎります。
部屋の整理整頓に掃除、布団の上げ下げ、洗濯など、今までは誰かがやってくれていたかも知れませんが、これからは自分でしなければなりません。東司、浴場、炊事場は共同で使用します。 集団生活ですから、塾内外の掃除、典座(食事の準備)、開浴(お風呂を沸かすなど)の役目は班毎に週替わりで務めます。
さらに僧侶の基礎として、着衣・読経指導、食事・開浴・堂内作法を学びます。 覚えなければならないことや、用語がたくさんありますが、毎日繰り返すことで自然と身体に染み付いてきます。
基本的な持ち物は、生活必需品である寝具・洗面道具・机(こたつ)・持鉢・着替えなど。普段は 塾内や学校での服装は自由ですが、行事に用いる作務着・絡子・ 白足袋。そして、僧籍を持つものは、それ以外に夏冬雲水衣一式と単布団が必要となります。
一年目は二人部屋となります。押し入れはありますが、荷物を置くスペースはあまりありませんので、最低限必要なものから生活を始めます.



 禅塾通信 1

花園禅塾は大学生活4年の内2年間、禅宗の僧侶の基礎を学ぶ場として開かれ、 昭和46年第1期生18名の学生からスタートしました。昨年4月44期生14名が入塾し、今年平成27年度は新たに45期生を迎えます。
普段は、朝6時開静、洗面、朝のお勤め、坐禅、修行道場の食事作法に沿って食事をし、そして掃除をします。 日中はそれぞれ学校で勉強や部活動にはげみ、午後7時門限、夕食をとってしばらくして坐禅を行い、9時解定引続き守夜。そして少しの自由時間があり、11時消灯となり一日が終わります。
また、法要の基礎を学ぶ法儀実習。文章の起承転結を学び、漢字を書く練習を兼ねての新聞学習なども行っています。
一般の学生たちに比べたら自由な時間も少なく、好き勝手にできず大変窮屈な生活をしているように思われますが、 限られた時間の中で、塾生たちはそれでも自分の能力を伸ばし、楽しむことも忘れていません。

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